虫歯の進行を止めるにはどうしたらいい?
進行のメカニズムと効果的な予防策を徹底解説

虫歯は多くの方が経験する身近な歯のトラブルですが、一方で進行のメカニズムや進行を止める方法については意外に知られていないようです。今回は、虫歯の進行を食い止めるためにできることや、とくに注意が必要な乳歯の虫歯について詳しく解説します。虫歯を予防し、健康な歯を保つためのポイントをぜひ押さえておきましょう。
虫歯の進行は止めることができる?
虫歯の進行のメカニズムと進行度
虫歯は口内に生息する細菌が食べ物に含まれる糖分を分解し、その際に作られる酸によって歯が溶けてしまう病気です。その虫歯は、進行に応じて5つの段階に分類されます。
虫歯の進行度
・CO(初期虫歯)
歯の表面に白斑が現れる段階。まだ穴は開いていない。
・C1(エナメル質の虫歯)
虫歯が歯の表層(エナメル質)に進行。歯の表面に小さな穴が開く段階。
・C2(象牙質の虫歯)
虫歯が象牙質に達した段階。
・C3(神経に達した虫歯)
虫歯が歯の神経(歯髄)にまで達した段階
・C4(歯根の虫歯)
虫歯によって歯の多くが失われ、根っこだけが残っている段階
虫歯は上記の進行のうち、初期の「CO(初期虫歯)」の段階で発見し、適切な処置を行えば進行を止めることができます。しかし、そこからC1に進み、歯に穴が開いた状態になると進行を止めることが難しくなります。
急性虫歯と慢性虫歯

虫歯には数か月単位で急速に進行する「急性虫歯」と、年単位でゆっくり進行する「慢性虫歯」の大きく2種類があります。一般に、急性虫歯は子ども(乳歯)に、慢性虫歯は中高年以降に多いのが特徴です。いずれの虫歯もC1以上の段階になると進行を止めるのは難しくなりますが、慢性虫歯の場合は適切な処置によって進行を遅らせることができます。
虫歯の進行を止めるためにできること
CO(初期虫歯)や慢性虫歯で進行を止める、あるいは遅らせるためには、以下の対策が重要です。
正しい歯磨き:虫歯菌の数を減らす
虫歯の進行を食い止めるためには、口内にいる虫歯菌の数を増やさないことが重要となります。その対策として欠かせないのが、毎日の正しい歯磨きです。
歯磨きは1日2回以上が推奨されますが、なかでも力を入れたいのが「就寝前」の歯磨きです。就寝中は1日の中で唾液が最も少なくなるため、お口の中に細菌が繁殖しやすくなります。したがって、寝る前の歯磨きは時間をかけて丁寧に行うことが大切です。歯ブラシにくわえ、歯間ブラシやデンタルフロスによる歯間清掃もしっかり行いましょう。
フッ素(フッ化物)の活用:酸に負けない強い歯を作る
歯磨き剤などに配合されるフッ素(フッ化物)には歯質を強化するほか、歯の修復機能である「再石灰化」を促す作用があります。初期の虫歯(CO)は正しい歯磨きにフッ素を活用すると進行を食い止め、元の健康な歯質に戻すことができます。フッ素配合の歯磨き剤の使用に歯科医院での高濃度フッ素塗布を併用するとさらに効果はアップするでしょう。
食生活の改善:虫歯菌のエサ(糖分)を減らす

虫歯菌は食べ物に含まれる糖分から酸をつくります。そのエサとなる糖分を減らすことも、虫歯の進行を食い止めるうえでは重要です。間食はできるだけ糖分の少ないものを選び、ダラダラ食べずに時間を決めてとるようにしましょう。
とくに、盲点となりがちなのがジュースや缶コーヒーなどの甘い飲み物です。飲み物は噛まずに飲み込むため唾液の分泌も少なく、糖分がお口に残りやすくなります。1日に何度も甘い飲み物を飲む習慣のある方は回数を減らし、お茶やお水などで水分補給を行うようにしましょう。
歯科定期検診を受ける
虫歯は初期のCOであれば進行を食い止められる一方、この段階ではまだ自覚症状がないため、気づかずに放置されることが少なくありません。虫歯を早期に発見するうえでは定期的に歯科医院を受診し、専門家のチェックを受けることも肝心です。
乳歯は特に虫歯の進行が速い
同じ虫歯でも乳歯は永久歯に比べ進行が速いのが特徴です。その理由と対策を以下にご紹介しますので、子どもの虫歯予防の参考にしてください。
歯質が軟らかい
乳歯は永久歯に比べて石灰化が不十分なため、酸に対する抵抗力も弱くなります。未熟な乳歯の歯質を強化するうえでは、フッ素(フッ化物)が最も効果的です。ご家庭でのケアではフッ素入りの歯磨き粉やジェルなどを活用し、歯科医院で定期的にフッ素塗布を受けましょう。
エナメル質や象牙質が薄い
乳歯は永久歯よりも歯質が薄く、永久歯の1/2程度の厚みしかないため、進行するとすぐに神経(歯髄)にまで達してしまいます。したがって、乳歯が生えたら定期的に歯科医院で虫歯のチェックをしてもらうことをおすすめします。
1人で歯磨きが上手にできない
子どもが自分で歯磨きをするようになっても、1人ではうまく磨けず、磨き残しも多くなります。したがって、子どもが磨いた後は必ず、保護者の方が仕上げ磨きを行うようにしましょう。
まとめ
虫歯の進行を止めるためには正しい歯磨きと食生活、フッ素(フッ化物)の活用、定期的な歯科検診のいずれも欠かせません。とくに、乳歯の虫歯は進行が速いため、日常生活でもこれらを徹底し、効果的に虫歯を防いでいきましょう。
