子どもが歯ブラシを嫌がるのはナゼ?
原因や対策、仕上げ磨きのポイントを解説

毎日の子育てのなかでも「歯磨きが1番大変!」とお困りの保護者の方も多いのではないでしょうか。なかには、歯ブラシを見ただけで泣き出してしまう子もいるなど、子どもの歯磨きに関する悩みはつきません。そのようなお悩みがある方へ、子どもが歯ブラシを嫌がる理由や対策、仕上げ磨きのポイントをご紹介したいと思います。
子どもが歯ブラシを嫌がるのはなぜ?
子どもが歯ブラシや歯磨きを嫌がる理由には、以下の5つが挙げられます。
①歯ブラシが痛い

子どもが歯ブラシを嫌がる1番の理由は「痛み」です。幼い子どもは「痛い」という意思表示がまだうまくできないため、泣きさけんだり逃げ回ったりして拒否反応を示すことがあります。
歯ぐきがまだ軟らかい子どもの場合は、ほんの少し歯ブラシが強く当たっただけでも痛みを感じてしまいます。また、上唇の裏には小帯(しょうたい)というヒダがあり、そこに歯ブラシが当たったり、強く引っ張りすぎたりすると、痛くて泣き出してしまう子も少なくありません。
②歯ブラシを入れると気持ち悪い
歯ブラシがお口に触れたり、動いたりするのがイヤだ・気持ち悪いと感じる子どもも少なくありません。とくに、初めて歯磨きを体験する赤ちゃんの場合、異物が口に入る経験がないため、いきなり歯ブラシを口に入れるのは望ましくないでしょう。これからお子様の歯磨きをスタートされる方は、口内を「指でふれる」「清潔なガーゼでぬぐう」などからはじめて、お口に異物が触れることに慣れさせることが大切です。
③歯磨きが怖い
体を押さえつけられたり、無理やりお口に歯ブラシを入れられたりすると、子どもは歯磨きに恐怖心を抱いてしまいます。また、保護者の方が無意識に強い口調や態度で接してしまうのも要注意です。このような時間が毎日続くのは子どもにとっても大きなストレスとなり、歯磨きを拒否するようになってしまいます。
④遊びたい・眠い
楽しいことに夢中になっている時や疲れて眠い時に、歯磨きをするのは大人でも苦痛に感じてしまいます。小さな子どもは遊びから歯磨きへの切り替えを大人のようにうまくできないほか、眠気が生じているときは集中力が続かないため、歯磨きを嫌がります。
⑤歯磨き剤が嫌い
歯磨き剤の味や感触が嫌いで、歯磨きをやりたがらない子どももいます。とくに、小さな子どもの場合は歯磨き剤の泡立ちや、ミントフレーバーを苦手に感じる子が少なくありません。
子どもが歯磨きを楽しんでくれるようになるためには?
子どもに歯磨きを楽しんでもらうために、以下のような工夫を行ってみましょう。
歯磨きの動画を見せたり歌を歌ったりする
近年は、子どもが楽しみながら歯磨きができる様々な動画が配信されています。お気に入りのアニメのキャラクターの歯磨き動画を見せたり、子どもが好きな歌を歌ったりしながら親子でその時間を楽しめば、歯磨きが自然と習慣化していくでしょう。
子どものリズムにあわせて歯磨きの時間を決める

歯磨きは生活習慣の1つなので、子どもの生活リズムにあわせて時間を設けるのも、歯磨きを嫌がらずに習慣化する大きなポイントです。1日の中で同じ時間帯に歯磨きをすることで、子どもも自然とその時間を受け入れるようになります。遊びやお昼寝の時間は避け、子どもの機嫌が良い時間帯を狙って声かけしてみましょう。
子どもの好きな歯ブラシ・歯磨き剤を選ぶ
子どもが興味を持ちやすい歯ブラシや歯磨き剤を選ぶのも効果的です。好きなキャラクターやカラフルなデザインの歯ブラシ、お子様の好きなフルーツフレーバーの歯磨き剤を使用することで、歯磨きが楽しいと感じるようになります。飽きっぽいお子様の場合は、これらを日替わりで違うものに変えてみるのもよいでしょう。
できないことを叱るのではなく、できたところを褒める
歯磨きが終わったら、できたことを褒めるのを忘れないようにしましょう。全部が磨けなくても、できた部分を認めて褒めてあげることで、「次も頑張ろう」という意欲がわきます。褒める際は「歯がツルツルになったね」「お口がスッキリして気持ちいいね」など、磨いた後の爽快感を伝えると、さらに歯磨きにポジティブになれるでしょう。
歯磨きの大切さを伝える
歯を磨くことがなぜ大切か、子どもにわかりやすく伝えることも重要です。虫歯にならないこと、健康な歯を保つことがいかに大切かを、絵本やアニメなどを通じて教えることで、子ども自身が歯磨きの必要性を理解するようになります。
仕上げ磨きのポイント
子どもが自分で歯磨きをするようになっても、ひとりでは磨き残しが多く、虫歯になってしまいます。小学校低学年ごろまでは、保護者の方による仕上げ磨きを続けていきましょう。
軽く優しく磨く
歯や歯ぐきを傷つけないように、力を入れずに優しく磨きましょう。
素早く終わらせる
理想は3分以内です。時間をかけると、子どもが飽きてしまうので注意しましょう。
「無理やり」「押さえつけて」の歯磨きはNG
子どもが嫌がっている場合は無理に磨こうとはせず、一旦休憩をはさんで気分を変えてからもう一度チャレンジしてみましょう。
乳歯が生えそろったら歯間ケアを追加する
乳歯がすべて生えそろったら(3歳前後)、デンタルフロスによる歯間清掃をプラスしましょう。1日1回を目安に行うのがおすすめです。
まとめ
子どもが歯ブラシを嫌がる理由は様々ですが、以上のポイントを参考に、楽しく歯磨きができる環境を整えることが大切です。子どもの歯磨きについて不安なこと、疑問に思うことなどがあれば、何でもお気軽にご相談ください。