歯石取りで血が出るのはなぜ?原因からケア方法まで解説

「歯石を取った後、血が出たけど大丈夫?」
「歯石取りで血が出るのは、歯ぐきが傷つけられたから?」
このように、歯石取り後の出血について疑問や不安を感じていませんか?
歯石取りは、お口の健康を守るために大切な処置ですが、血が出ると心配になる方もいるかもしれません。
そこで本記事では、歯石取りで出血する原因、出血する期間などについて解説します。
歯石とは?除去が必要な理由とは?
歯石とは、お口の中に残った歯垢(プラーク)が、唾液に含まれるカルシウムやリンなどのミネラル成分と結びついて石のように硬くなったものです。
歯垢は、食べ物の残りカスなどを栄養源として細菌がネバネバとした膜状に繁殖したもので、いわば細菌のかたまりです。歯垢は、毎日の歯磨きで取り除くことができますが、磨き残しがあると、24~48時間で石灰化が始まり、約2週間で硬い歯石に変わると言われています。特に、唾液腺の出口に近い下の前歯の裏側や上の奥歯の外側などは、歯石が付着しやすい場所です。
歯石自体が虫歯や歯周病の直接的な原因となるわけではありませんが、表面がザラザラしているため、新たな歯垢が付着しやすく、細菌の温床となります。この状態が続くと、以下のようなお口のトラブルを引き起こす可能性があります。
- 歯肉炎、歯周炎の進行
- 口臭の発生
- 虫歯リスクの向上
歯石は、歯ぐきの上に見える「歯肉縁上歯石(しにくえんじょうしせき)」と、歯周ポケットの中に隠れてできる「歯肉縁下歯石(しにくえんかしせき)」の2種類があります。特に縁下歯石は、歯周病を進行させる大きな要因となるため注意が必要です。
一度歯石になってしまうと、歯ブラシでこすっても簡単には落とせません。歯科医院で専用の器具や機械を使って除去する「歯石取り(スケーリング)」が必要になります。
歯石を取ると血が出る?

歯石取りの際に出血することがあり、「歯石を取る器具で歯ぐきを傷つけられたのでは?」と不安になる方もいるでしょう。しかし、歯石取りで出血する主な原因は「歯ぐきの炎症」です。
歯垢は細菌の塊で、1mg中に約1~2億の細菌がいると言われています。その中には、歯ぐきに有害な毒素を出す種類も存在します。
歯ぐきに歯垢が付着し、細菌が毒素を出し始めると、私たちの体はそれを「異物」や「敵」と認識し、排除しようと防御反応を開始するのです。
細菌や毒素と戦うために血液中の白血球が歯ぐきの血管に集まってきます。白血球が患部にたどり着きやすくするために歯ぐきの毛細血管が拡張し、赤みを帯びて腫れたり、少しブヨブヨとした状態になったりすることもあります。
このような歯ぐきの状態で歯石取りの処置を受けると、器具が少し触れただけでも簡単に出血してしまうのです。
一方、引き締まって健康的なピンク色をした歯ぐきの場合、歯石が付着していたとしても、歯石取りの際に痛みを感じたり出血したりすることはほとんどありません。
出血はどれくらい続く?

歯石取り後の出血は、ほとんどの場合、数時間から数日程度で自然におさまります。
歯石取りを終えた後は、お口のケアへの意識が高まり、歯磨きにもつい力が入ってしまうことがあるかもしれません。しかし、炎症が残る歯ぐきに強い力で歯ブラシを当てると、かえって回復を遅らせてしまう可能性があります。歯ぐきの炎症を穏やかに鎮めるためには、毛先が「やわらかめ」の歯ブラシを選び、一本一本の歯を丁寧に優しく磨くことを心がけてください。
ただし、歯周病が進行し、歯ぐきの炎症が強い場合は、1週間程度出血が続くこともあります。また、歯石取りの処置後、1週間以上経過しても出血や痛みが続くようでしたら、他に原因があると考えられるので注意が必要です。ご自身で判断せず、早めに歯科医院を受診しましょう。
歯石取りによる出血をできるだけ抑え、歯ぐきの健康を保つためには、毎日のケアがとても大切です。歯垢は食事のたびに歯の表面に付着します。特に歯と歯の間は歯垢が残りやすいので、意識して磨くことが重要になります。歯ブラシの届きにくい歯と歯の間や奥歯の清掃には、歯間ブラシやデンタルフロスを併用しましょう。これらの補助清掃用具を使うことで、歯垢の除去率を約8~9割まで向上させることが期待できます。
ご自身のお口の状態や歯並びに合った清掃用具を選び、正しく使用することが効果を高めるポイントです。どのようなものを使えば良いか分からない場合は、歯科医師や歯科衛生士に気軽に相談してみましょう。
まとめ
歯石取り後の出血は、歯ぐきの炎症が原因です。健康な歯ぐきであれば出血はほとんどありません。出血しても通常は数時間から数日で自然に治まりますが、もし1週間程度出血が続く場合は、歯周病が進行している可能性があるため、早めに歯科医院を受診しましょう。
しかし最も重要なことは、歯ぐきの炎症を引き起こす歯石が付着しないように予防することです。虫歯や歯周病を予防するためにも、ご自宅での丁寧なセルフケアと定期的なクリーニングでお口の中を清潔に保ちましょう。
