夜になると歯が痛い!疑われる原因や対処法について
「夜になると歯が痛い」「歯が痛くて夜も眠れない」このような経験はありませんか?
歯が痛くて眠れないのはとても辛いことです。なぜ夜になると歯が痛むのでしょうか。ここでは、夜になると歯が痛む原因や対処法などをご紹介します。
夜になると歯が痛くなる理由とは
夜になると歯が痛くなるのには、以下の理由が考えられます。
血液が頭部へ流れやすくなるため
日中は重力によって血液が体の下へ流れていきますが、就寝時は横たわるため血液が頭部に流れやすくなります。血液が頭部に流れやすくなると、血管が膨張し神経が圧迫されて痛みが生じやすくなります。
副交感神経が優位になる
自律神経とは代謝や血圧、体温などをコントロールする神経のことです。自律神経には交感神経と副交感神経があります。日中は交感神経が優位になり、血管が収縮します。一方、リラックスすることが多い夜は副交感神経が優位になり、血管が拡張し血流が増加します。そのため、夜になると歯が痛みやすくなるのです。
入浴による血流の増加
就寝前に入浴する方は多いでしょう。入浴は副交感神経を優位にし、血行促進の効果があります。そのため、血管が膨張し、歯の神経に流れる血液が増えて痛みを感じやすくなります。
疑われる原因について
歯が痛くなる病気にはどのようなものがあるのでしょうか。疑われる原因は、主に以下の4つです。
歯髄炎(しずいえん)
歯髄炎とは、虫歯が歯の歯髄(神経と血管)にまで進み、歯髄に炎症が生じる病気のことです。歯髄に炎症が生じると血液の流れが増えます。すると、血管が膨張し神経が圧迫されてしまうのです。歯髄炎は、ズキズキと痛む「拍動痛(はくどうつう)」を生じることがあります。歯髄まで進行した虫歯は、神経を取る治療を行うのが一般的です。
根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)
根尖性歯周炎とは、虫歯菌が歯の根っこの内部で繁殖し、歯の根っこの先に膿が溜まってしまう病気のことです。歯の神経が死んでいる状態なので痛むことはありません。しかし、歯ぐきの周りの神経や組織は痛みを感じます。また、根っこの先で膿がたまると、圧力で強い痛みを感じることも。根尖性歯周炎は歯の根っこの内部が細菌感染しているため、内部をきれいにする根管治療を行います。
咬合性外傷(こうごうせいがいしょう)
咬合性外傷とは、歯ぎしりや食いしばりが原因で歯や歯ぐきに炎症が生じてしまう状態のことです。歯ぎしりや食いしばりは就寝中無意識に行なっていることが多いため、夜になると一過性の痛みが出やすくなります。就寝時に装着するナイトガードで歯ぎしりや食いしばりの衝撃を緩和することが可能です。
その他
夜に歯が痛くなる原因は他にも、歯周病による歯ぐきの炎症や、親知らずの炎症、歯の破折などがあります。異常を感じたら早期に歯科医院を受診することが望ましいです。
家でできる対策は?
夜に歯が痛くなると、睡眠に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。ここでは家でできる対策をご紹介します。
市販の痛み止めを飲む
普段から市販の痛み止めを常備している方もいるでしょう。どうしても我慢できないなら、痛み止めを飲むのも一つの手。服用することで歯の痛みを抑えられます。しかし、あまりにも強い痛みの場合は、痛み止めが効かないこともあります。また、痛み止めを飲んだからといって病気が治るわけではありません。あくまでも歯科医院を受診するまでの応急処置として服用するようにしましょう。
歯が痛む箇所を冷やす
氷水などを口の中に含んで冷やすと、炎症が抑えられ痛みをやわらげることができます。また、お口の外から冷却枕などで冷やすのも良いでしょう。ただし、歯周病や知覚過敏などで痛みが生じている場合は、逆効果になる可能性があるので気を付けましょう。
歯の痛みを緩和するツボを押す
上記で紹介した応急処置と並行して、歯の痛みを緩和するツボを押すのも良いでしょう。ここでは代表的なツボを4つ紹介します。
①歯痛点(してんつう)…手のひら側の中指と薬指の間にあるツボ
②合谷(ごうこく)…手の甲側の親指と人差し指の間にあるツボ
③下関(げかん)…耳の穴から頬骨の方向に、指四本分ほど離れた箇所にあるツボ
④頬車(きょうしゃ)…下顎のエラ部分の角から、少しだけ頬側に指をずらした場所にあるツボ
口内を清潔にする
お口の中を清潔にすることで痛みがやわらぐことがあります。なぜなら、食べかすが歯に挟まり圧迫されて歯の痛みを感じることがあるからです。歯ブラシと並行してフロスや歯間ブラシを使って挟まった食べかすを取り除きましょう。さらに、食べかすを取り除いたあとにうがい薬で口をすすぐと清涼感が広がり、痛みを紛らわせることができます。ただし、虫歯や歯周病の痛みには効果が期待できず、炎症が起きている箇所を刺激してしまうことがあるので注意が必要です。
まとめ
夜に歯が痛むのは、歯や歯ぐきのトラブルが生じているサインです。歯が痛む原因は、歯髄炎・根尖性歯周炎・咬合性外傷などさまざまな病気が考えられます。今回紹介した対処法で痛みがおさまってもトラブルの解決には至らないため、早めに歯科医院を受診しましょう。