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小児歯科/歯科コラム

子どもの歯並びが悪くなる原因は?放置するリスクや治す方法について

子どもの歯並びが悪くなる原因は、遺伝や日頃のくせなど、さまざまです。歯並びが悪いまま放置すると将来、歯や体の健康に悪影響を与えてしまうことがあります。歯並びの改善は歯科医院での治療が必要です。今回は、子どもの歯並びが悪くなる理由や、歯並びが悪いとどんな影響があるのか、歯並びを改善する方法などについて紹介します。

 

子どもの歯並びが悪くなる3つの理由

子どもの歯並びが悪くなるのには、主に3つの理由が挙げられます。

 

遺伝

両親の歯並びが悪いと、子どもにも遺伝すると聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。両親の骨格や体型が子どもにも遺伝するように、歯並びに関係のある、あごの骨や歯のサイズ、舌の位置などは遺伝します。特に、あごの骨のサイズや形態は遺伝による影響が大きく、両親あるいは祖父母が出っ歯や受け口だった場合、子どもに引き継がれる可能性があります。

 

乳歯の虫歯

乳歯の虫歯は、永久歯の生え方に影響を与えることがあります。たとえば、虫歯によって早期に乳歯を失ってしまうと、両隣の歯が倒れて永久歯が生えるスペースが確保できなくなります。結果、永久歯が歯列からはみ出して生え、ガタガタした歯並びになる可能性があるのです。乳歯は虫歯になりやすく進行しやすいもの。加えて痛覚が発達していないため痛みを感じにくく、気付いたときには進行していたなんてことも少なくありません。

 

日頃のくせ

日頃のくせとは、指しゃぶり、頬杖、口呼吸、前歯の裏を舌で押し出すなど、お口周りの悪いくせのことです。専門用語では、口腔習癖(こうくうしゅうへき)と言います。これらの何気ないくせは、あごの骨や歯を動かしてしまうほどの大きな力を加えてしまいます。たとえば、指しゃぶりは前歯を前方に押してしまい、出っ歯になってしまう可能性が。日頃のくせはしないように気をつけるだけでも改善する可能性がありますが、歯科医院のMFT(口腔筋機能療法)でも改善が見込めます。

 

 

歯並びが悪いとどんなことが起こる?

子どもの歯並びが悪いと、以下のような悪影響を及ぼす可能性があります。

 

虫歯になるリスクが高まる

そもそも虫歯とは、歯垢の中に生息している虫歯菌が出す酸によって、歯の表面が溶けてしまう病気のことです。虫歯を予防するためには、歯磨きで歯垢を除去する必要があります。しかし、歯並びが悪いと歯ブラシが届きにくく、磨き残しが多発しやすい環境になり、虫歯になるリスクが高まります。

 

永久歯の歯並びが悪くなる

乳歯の歯並びが悪くても、あごが成長するに従ってスペースができ、正しい位置に並ぶこともあります。しかし、受け口のようなあごの骨に問題がある場合や、虫歯によって乳歯が早期に抜けてかみ合わせに問題がある場合は、永久歯の歯並びが悪くなる可能性があります。

 

発音が悪くなる

歯並びが悪いと発音に影響を与えることがあります。たとえば、前歯のかみ合わせが悪いと、発音した際に空気が漏れてさ行・た行・ら行などが発音しにくくなります。場合によっては、日常生活に支障をきたしてしまうことも。ただし、発音はかみ合わせのほかに舌やお口周りの筋肉の影響を受けるため、歯並びが原因なのか、舌やお口周りの筋肉が影響しているのか、まずは歯科医師に相談することが望ましいです。

 

 

子どもの歯並びはどうやって改善するの?

子どもの歯並びを改善するには以下のような方法があります。

これらは、お口の中の状態や子どもの成長過程など、状態によって適した方法が異なり、組み合わせて行うこともあります。

 

あごの骨を広げる

ガタガタした歯並びや出っ歯は、歯を並べるスペースが足りないために起こります。スペースを確保するために、床矯正装置(しょうきょうせいそうち)を用いてあごの骨の幅を広げることがあります。床矯正装置は上あごの裏側につける装置で、埋め込まれたネジを回して少しずつ広げ歯列を側方に拡大し、歯を並べるスペースを確保する装置です。

 

あごの骨の成長をコントロールする

あごの骨をコントロールする代表的な装置に、「ヘッドギア」や「チンキャップ」などと呼ばれる「顎外固定装置」があります。これらの装置は、首の後ろや頭とあごを固定した状態で、ゴムの力を利用しながら、下あごあるいは上あごの成長をコントロールします。

ヘッドギアは、主に出っ歯の治療に用いられることが多く、チンキャップは受け口の治療に用いられます。

 

歯を動かして並べる

永久歯が生えそろう12~13歳頃になると、あごの成長をコントロールすることができません。成人矯正と同じように「ワイヤー矯正」や「マウスピース矯正」で歯を動かして歯並びとかみ合わせを整えます。なお、子どもの時期に矯正治療を行っておくと、通常の成人矯正よりも治療期間が短くて済み、抜歯が必要になる可能性も低くなります。

 

お口周りや舌の筋肉を鍛える

口呼吸や指しゃぶりなど、口腔習癖を改善するためにMFT(口腔筋機能療法)を行うことがあります。これは、歯並びに関係している舌、唇、頬などのお口周りの筋肉をトレーニングで鍛えてバランスを整える方法です。トレーニングには数十種類あり、お口の中の状態に合わせてすすめていきます。

 

 

まとめ

子どもの歯並びは、遺伝や乳歯の虫歯、口腔習癖などさまざまな理由から悪くなっている可能性があります。歯並びが悪いと虫歯になりやすかったり、永久歯の歯並びが悪くなったりと将来に悪影響を及ぼしてしまうことも。大人になってからでも矯正治療は受けられますが、時間がかかり、症例によっては抜歯や手術が必要になる可能性があります。子どもの歯並びはできるだけ早い段階で歯科医師に相談することが大切です。

乳歯ならあごの成長スピードに合わせて歯を比較的動かしやすいため、子どもの歯並びが気になる方は、早めに当院へご相談ください。